五竜岳

2泊3日の予定で、遠見尾根から五竜岳に登った。メンバーは5名。

3月19日
寒気が入るとの予報だったがそれほど寒くなく、上空には薄雲が広がり風が少し吹いている程度。他に登山者は無い。前夜の新雪が数センチ乗った雪は坪足でも歩きやすく、順調に小遠見に到着。中遠見の登りに掛かるところで、試しに持って来た雷探知器が雷雲をキャッチした。見上げると、上層には薄雲が広がり、その下で斜面を吹き上げる風が渦を巻いていた。最初は、注意レベルだったのが、すぐに警戒、時々危険レベルに。昨日までの暖気に、今日は寒気が入るとの予報で雷雲の発生は予想されること、2年前の5月連休に八方尾根で雷に遭った時と雲の様子が似ていること、遠見尾根を歩いていて、何の前触れもなく雷の直撃を受けた人の話を聞いたばかりだったこと・・・、などが頭の中で渦を巻いた結果、登高を中止し北側に10m程下がった樹林の中にテントを張った。このまま標識やスノーバーを背負って稜線を歩くのはリスクが高すぎる。探知器は鳴ったりやんだり。どうやら斜面を吹き上げるガスが近づくと鳴るようだ。
地蔵の頭10:00 - 小遠見11:36 - 中遠見のコル12:10

3月20日
起きると薄雲はあるものの稜線はくっきり見えて風もなく絶好の登山日和。これは拾いものだとアタック態勢で出発。北側に大きな雪庇が張り出した雪稜を順調に進み、心配していた白岳とのコルも雪がついて問題無く、白岳の登りも一部不安定なところもあったが無事通過し、半分埋まった五竜の小屋に到着。頂上までのルートを眺めると、最初夏道にそって斜面をトラバースし、急なルンゼから大きな雪壁で頂上まで。ルンゼから先はロープがあったほうが良さそう。午後から下り坂になるとの予報で、突っ込むと時間が足らなくなりそうだったので、心残りながらここで断念。雷探知器は注意レベルが鳴ったりやんだり。下山中もしばらく山は見えていたが、テントに着く頃には雪になり見えなくなった。もう一泊することも無いのでテントを撤収して下山した。
出発5:46 - 白岳下コル8:00 - 五竜小屋9:06
下山開始10:00 - テント12:20 - ゴンドラ駅14:06

寒気の流入と低気圧の通過という不安定な天候での登山で、安全登山としては100点満点。でも敗退は敗退。心残りだ。安全登山と満足感を両立させるのは難しい!!

地蔵の頭から登り始める

地蔵の頭から登り始める

好天! 頂上が見える!

好天! 頂上が見える!

鹿島槍北壁

鹿島槍北壁

頂上までのルート

頂上までのルート

白岳の斜面を下る

白岳の斜面を下る

西遠見の巨大な雪庇

西遠見の巨大な雪庇

コメントをどうぞ